10円玉に描かれた世界遺産【平等院鳳凰堂】
宇治にある世界遺産【平等院鳳凰堂】平等院といえば10円玉に描かれた建築物が有名です。こちらの建物はなんと、およそ1000年前(平安時代)に建てられたものです。鳳凰堂のちょうど真正面が、10円玉に描かれたものと同じように見ることができます。池に佇む鳳凰が羽を広げた姿に似ていることから「鳳凰堂」と名付けられました。左右対称に広がる建物がとても美しく、当時、鳳凰堂は「これこそが極楽浄土だ」と言われていました。春は桜、藤、蓮、睡蓮と四季折々の花が美しく、特に満開の藤は圧巻の美しさだそうです。【歴史】平等院鳳凰堂がある京都南郊の宇治は、有名な「源氏物語・宇治十帖」の舞台であり、平安時代初期から貴族の別荘が営まれていた場所でもあります。平等院鳳凰堂がある周辺は9世紀ごろ、光源氏のモデルとも言われる左大臣で嵯峨源氏の源融が営んだ別荘だったものが、宇多天皇に渡った後、天皇の孫である源重信を経て長徳4年に摂政藤原道長の別荘「宇治殿」となりました。道長の没後、その子供である関白・藤原頼道が永承7年に宇治殿を寺院に改めました。これが長い歴史の中で語られる平等院鳳凰堂の始まりと言われています。創建時の本堂は、鳳凰堂の北方、宇治川の岸辺近くにあり大日如来を本尊としていました。翌年には西方極楽浄土をこの世に出現させたような阿弥陀堂が建立されたといいます。当時、仏法が廃れ、天災人災が続き、世の中が乱れるとする末法思想が、貴族や僧侶らに信じられていました。それ故に極楽往生を願い阿弥陀如来を祀る仏堂が、盛んに造営され、平等院鳳凰堂もその一つといえます。現在までの長い歴史の中で平等院鳳凰堂は奇跡的に戦災にも合わず、約1000年の歴史をその姿で伝えているのです。そうして残った平等院鳳凰堂を大切にし、日本の文化を守っていこうということで、昭和26年に平等院鳳凰堂は10円玉のデザインに選ばれたました。また、実は1万円札にも鳳凰堂の屋根の上にいる鳳凰の姿が描かれています。鳳凰とは歴史的にも「幸せの前兆」として現れる鳥だそうです。平等院鳳凰堂の近くには宇治川が流れ、美しい自然が広がっています。平等院鳳凰堂の前には創建時、宇治川や対岸の宇治の山を取り入れることで極楽浄土を表現したといわれる、池を配した庭園があります。池に映る平等院鳳凰堂の美しい姿を写した写真が、観光パンフレットなどによく掲載されています。この庭は史跡及び名勝にも指定されています。
宇治といえばお茶。
帰りの駅で見た夕日。