ソウルの世界遺産【宗廟(チョンミョ)】
地下鉄1号線 鍾路3街(チョンノサムガ)駅から歩いて3分。
「宗廟市民公園」の奥にあるのが【宗廟】の正門。
他の古宮の正門に比べ、丹青(韓国伝統の色彩を施すこと)や装飾は控えめなのが特徴だそう。
間口3間の「平三門」という造りで、正門の左右は宗廟を囲む石塀とつながっています。
さっそく気になったのは、進化の過程みたいな、屋根の上のこの子たち。沖縄でいう赤瓦の上のシーサーのような守り神的ものでしょうか。調べてみたら、これらは、空からやって来るといわれる魔物から家を守る役目があり、日本でもお馴染み「西遊記」に登場する動物や人を表しているそう。(やっぱり守り神だった!)ちなみに一番手前から、三蔵法師、孫悟空、猪八戒、沙悟浄で、その後ろはニキボク(もののけ)で、その後ろの少し大きい像は龍とのこと。水を司る龍は建物の火事から家を守る役割だったようです。
【宗廟(チョンミョ)】は、朝鮮王朝歴代の王と王妃、および没後に位を贈られた王と王妃の神位(位牌)が安置されている、王室の霊廟です。当時、国教とされた儒教の思想に基づき造られた建物は、霊廟らしく控えめな装飾で素朴な印象を与えます。しかし、訪れる者を圧倒する独特の空気感が存在するのは、約500年という朝鮮王朝の歴史がこの場所に集約されているからでしょう。1995年には、その優れた建築様式と歴史性の高さから「ユネスコ世界文化遺産」に登録されました。
前方に広がる道は「三道(サムド)」といい、左右に比べ若干高くなっている中央の道は「神路(神のための道)」、また右(東)側は「御路(王が通る道)」、左(西)側は「世子路(皇太子が通る道)」といいます。「三道」は「正殿」の神門へと通じており、祭祀の際に利用されます。王と皇太子が利用した御路と世子路は、祭祀の準備を行なう場所である「斎宮(チェグン)」へ続いているんだそう。
基本的には、自由観覧制ではなく、言語別のガイドとともに回る時間制観覧(所要約1時間)です。日本語無料ガイドの説明を聞きならがら観覧できるのです。(入場料は必要)ですが、毎週土曜日(有料)と、毎月最終水曜日(無料)は、ガイドによる時間制観覧ではなく、自由観覧ができます。この日はたまたま、最終水曜日だったので、無料で入場し、ガイドは無く自由観覧でした。
最初に向かったのは、「正殿(チョンジョン)」 宗廟の中心をなす建物で、最も西側に安置された太祖をはじめ、道徳に適った政治を行なったとされる19人の王とその王妃の位牌、計49位が安置されています。
位牌が新たに安置されるたびに増築が重ねられ、単一の木造建築物としては世界最長(総101m)を誇っているそうです。
「祭井」宗廟祭礼のときに使用される水をくんでいた井戸。花崗岩で丸い井戸枠を作り、周辺をきれいに整備し井戸の周囲に低い囲いをし、一般人の接近を妨げました。井戸の深さは地表から約4mで、干ばつでも井戸は涸れず、きれいで冷たい水だったそうです。
周囲?散策。
左手にはお手洗い。
壁のような塀には、年に一度、毎年5月の第1日曜日に行われる、朝鮮王朝時代から続く王室の祭礼儀式「宗廟大祭(チョンミョテジェ)」のパネルなどが飾られていました。参列者は数百人にのぼり韓国最大の伝統行事といえ、1975年に「重要無形文化財 」、2001年には「ユネスコ世界無形文化遺産」に指定されました。
パネルに近づいて撮った写真。
こんな感じで。
又いた!
「永寧殿(ヨンニョンジョン)」1421年、第2代王・定宗(チョンジョン)の位牌を祀る際に建てられた別廟。
中央4室に祀られた太祖の4代祖(穆祖、翼祖、度祖、桓祖)とその王妃の位牌など没後に位を贈られたり、「正殿」から移安されたりした王と王妃の位牌、計34位が安置されています。
別廟という性格から規模は若干小さいですが、歴代王に対する祭祀を執り行なう場所として「正殿」と同様の建築様式で建てられており、丹青や装飾は控えめで、厳粛な雰囲気が漂っています。
写真が多すぎて、失速。もう少し、続きます。明日。