個性豊かなお地蔵さんに癒される【愛宕念仏寺(おたぎねんぶつじ)】
【愛宕念仏寺(おたぎねんぶつじ)】は、京都・奥嵯峨エリアにある愛宕山の麓に位置する小さな寺院です。境内のいたるところに羅漢さんと呼ばれる石像がたくさん並んでいることで知られています。その数なんと1200躰!過去から興廃を繰り返してきた愛宕念仏寺は、昭和25年の台風災害により境内が大きな被害を受け廃寺になり、ついには「京都一の荒れ寺」と言われるようになってしまったそうです。
そこで復興を託されたのが、仏像彫刻家としても有名な先代住職の西村公朝さん。昭和55年からは山門の解体復元修理など、本格的な復興事業がはじまったのですが、その際に境内を羅漢さんでいっぱいにしようと呼びかけました。
「昭和の羅漢彫り」として行われた、一般参拝者による手掘りの羅漢さんの奉納。境内の1200体もの羅漢さんは、寺の復興を祈念した一般の参拝者自身の手によって彫られたのです。素人の作であるがゆえ、それぞれに味わい深い羅漢さんばかり。一体一体がとても個性的です。猫を抱いていたり、
ボクサーだったり、カメラを構えていたり、おどけていたり、
(何のポーズかしら?)イケメンだったり、何か難しい顔をしていたり、手抜き?だったり・・・(キヨー)一つとして同じ表情はなく、思わず見入ってしまいます。お気に入りの子探しが止められず、時を忘れ、いつの間にか和み、癒されてしまう、そんなお寺でした。
また、愛宕念仏寺の本尊は厄除千手観音で、古来から厄除けの寺として信仰されてきました。他にも境内には手で触れて拝むためにつくられたという『ふれ愛観音』など、小さなお寺ではありますが、みどころはいっぱいでした。