満開の桜と国宝【妻沼聖天山】
一昨年の4月初旬、桜満開の妻沼聖天山(めぬましょうでんざん)へ。
日本三大聖天の1つ・妻沼聖天山は、治承3年(1179年)創建、平家物語などで義理人情に厚い人柄が称えられている斎藤別当実盛公が、自らの守り本尊である大聖歓喜天を祀ったことに始まります。
現在の本殿「歓喜院聖天堂」は、宝暦10年(1760年)、妻沼を中心とした庶民たちの浄財で、宮大工・林兵庫正清及び正信らの手により建立。
250年の時の流れとともに生じた傷みや、剥落した彩色を、建立当時のように美しく蘇らせるため、平成15年10月から約7年間の歳月をかけ「平成の大修理」が行われました。
そしてついに、平成23年には、建立当時の豪華絢爛な姿を蘇らせました。
また彫刻技術の高さと、このような建物の建造が幕府や大名など、時の権力者の手によらず、民衆の手により実現したという建立当時の背景などが評価され、国宝の指定を受けることとなりました。
奥殿・中殿・拝殿の三棟が連なる権現造りの本殿は眩いばかりの精巧な彫刻で覆い尽くされ、様々な思想や文化を反映させた知性、そして大らかさと愛嬌が共存した表情豊かさが魅力です。
日光東照宮を彷彿させる本格的装飾建築で、その精巧さゆえに「埼玉日光」と称されいます。
また、妻沼聖天山は特に縁結びの神様として慕われています。夫婦の縁をはじめとし、家内安全・商売繁盛・厄除け開運・交通安全・学業進学などのあらゆる良縁を結んでいただけます。